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「雪国の発酵食文化発信事業」コンセプト検討会#2

「発酵」を通じて新潟の魅力を深める―新潟県の取り組み―

新潟県食品・流通課では、「雪国の発酵食文化」に着目して「食の新潟」の上質なイメージを醸成するため、「雪国の発酵食文化発信事業」コンセプト検討会を立ち上げ、2019年8月から計3回、事業の取り組み方や情報発信の方法などを話し合ってきました。


メンバー

井口智裕さん(㈱いせん代表取締役)

樺沢敦さん(㈱FARM8代表取締役)

田中竜男さん(ぽんしゅ館バイヤー)

葉葺正幸さん(㈱和僑ホールディングス代表取締役)

遠藤智弥さん(㈱フォーワテック・ジャパン)

今回のシリーズでは、この検討会の様子を3回に分けてご紹介します。

中盤戦、新潟が見据える世界は。

 

 全国各地で発酵が取り上げられている中で、一つの肝になるのが情報量です。これが裏付けのあるものになると、ストーリーができてきます。地域の豊かさが情報量に比例するとした場合、今は出ている情報が少な過ぎますが、「科学する」中でこれからある程度のステージで発信することができるようになります。それにより、発酵のメッカという形で新潟が出てくるようになれば、新潟にそれを求めて人が来るようになることが期待できます。

 樺沢さんは「アジアなどの海外の人で、雪国の世界をのぞいてみたいという人に対して、暮らしと発酵が密接につながっているということを、外国人にも原理的に分かるように伝えていく活動を新潟県がやっているとなると、圧倒的なオンリーワンができると思います」と力を込めました。

 田中さんからは「プロダクトを外に出すだけではなくて、人に来てもらうことも大事だと思っています。地方が首都圏に出て行こうとすると、どんなに良い商品を作っても46都道府県と競うことになります。それよりは、新潟を訪れた人にどうやって発信してもらうかが重要です」という意見もありました。





 これに対して、メンバーたちも「何でもかんでも一番いいものを東京に持って行かない。本当にいいものは地元に残しておかないと、人は旅をしてくれない」と賛同。東京のように人とモノが流通することが豊かだという価値観を持つ新潟県人が多いですが、メンバーたちには、この東京志向を何とか変えていきたいという強い思いがありました。

また、井口さんから「新潟県人の団結意識の強さは、全国的に見ても特長的です。雪国の厳しい環境の中で助け合えるところは、他の地域から見ると団結力が強いイメージがあります。地理的にも山で地域が分断していたりするけれども、雪の中で協力し合っている感じはいい。発酵と親和性がある気がします」と事例を交えた提案がありました。

 その他にも、再編集した情報が日本だけでなく世界にも伝わるような仕組みとして、情報発信の多言語化や客観的な情報として研究論文に注目すること、おじいさんやおばあさんが昔からやってきたことを科学的視点で見てみること、地元の人も交えた料理コンテストの開催、民俗学との調和など、新潟の魅力を深め、発信するためのアイデアが尽きることなく生まれてきました。

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