ゲスト:青木光達(あおきみそ株式会社)
Q
新潟県は非常に広く、地域によって様々な味噌の種類があると言われています。今回は新潟県上越地域の味噌の特徴を教えていただきます。
新潟県上越のあおき味噌株式会社、青木社長と中継が繋がっていますのでお聞きしたいと思います。青木さん宜しくお願いいたします。
青木
こちらこそ宜しくお願いします。
Q
青木味噌さんのある新潟県上越地域特有の浮き麹味噌について教えてください。
青木
新潟県上越地方では、浮き麹味噌という非常に変わった味噌がつくられております。これは、お味噌汁にする時に、所謂みそ濾し器を使わなくて「ぽとん」と落としてそれを溶くとお味噌汁の中で「ほわっ」と麹粒が浮いてくるのを特徴としています。米どころということもあり、大きく完熟した丸米を使って味噌を作れたっていうことと、それから溶けやすいということを特徴として一般的にずっと昔からこの地方でつくられてきました。戦後すぐに、食糧難の時代に「ぷわっ」と米麹が浮くことが非常に良い米を使っていると、もう見てるだけで証明できるということで、非常に首都圏で喜ばれました。それで上越の浮き麹味噌があるというのが広がっていったという背景をもつお味噌になります。
Q
最初に認知が広まったのは地元からではなく、首都圏からだったのですか。
青木
そうですね。地元では昔から好まれて食べられてきたので、特別な想いはなく食べていたんです。ところがこういった認知度の増加を経て生産量が飛躍的に増大し、これは良い物だという事で上越では県外に出た方に懐かしいだろうと、お土産や贈り物として贈られるようになりました。それでギフト用の需要も大きなものがあるっていう風になっております。
Q
商標登録したことで組合に新たな事業者が加わるような動きはありますか。
青木
実際はまだそこまでです。実を言うと取ってからすぐに新型コロナウイルスの影響で、非常にPRが制限されまして。こんなに良いものなんだって言うことをなかなかアピールしきれ無い部分があります。それで、新たに加盟っていうのは1、2件あるんですが沢山入っているっていう状態では無いですね。
Q
越後みその中には上越の浮き麹みそを初めとして、地域別に色々な特徴あるみそがあると思いますが、どのような打ち出し方をしていくのでしょうか。
青木
そうですね。浮き麹とか、それから下越の方でつくられている赤粒 全体を通して特徴が共通するもので他県とは違うっていう事を共通点として出しております。
一つは大豆の粒がみその中に残らないような造り方をしているという事と、酵母発酵の発酵香が旺盛な味噌であるという事を前面に出しております。みその発酵香が高いのは、県の食品研究センターから供給される、越後みそに非常に適した酵母菌を使うことで、匂いと物性が良くなるような共通点を持つようになります。
〔お問い合わせ〕
今回の取材は、新潟県雪国の発酵食文化発信事業の一環で取り組みました。
新潟県農林水産部食品・流通課 025-280-5963
